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『死亡』と『心肺停止』の違い

連日のように耳にする御嶽山の噴火に関するニュースだが、その中で「死亡した人は18人、心肺停止の人は25人となりました」と、いったように、死亡と心肺停止を使い分けて報道していることが、少し気になった。
御嶽山 死亡18人 心肺停止25人に NHKニュース

Wikipediaに『報道用語としての心肺停止』という項目があり、そこを読むと、死亡と心肺停止とを使い分けている理由が書かれている。つまるところ、死亡判断は医者にしかできないものだから、それまでは『心肺停止』として伝えることしかできない、というものらしい。

以下はWikipediaからの引用。

日本のメディアでは自然災害や事故に遭遇して死亡し、医師による死亡確認・宣告がまだ行われていない状態の人について「心肺停止」「心肺停止状態」と表現される。日本の医学界では、実際には死亡していても、心停止と呼吸停止のほかに脈拍停止と瞳孔散大を確認して医師が死亡を宣告しなければ法的に確定しないとされており、医師以外の者(救助要員や警察官・報道関係者など)は心停止・呼吸停止を判断することはできても、死亡を宣告することはできないことが理由である。

事故・災害現場においてまだ救出できておらず医師も近づけない状態にある遺体や、病院に運ばれている途中の遺体は、医師による死亡が未宣告であり「心肺停止」とされる。

日本国外のメディアでは日本のメディアが「心肺停止」と報じていても「死亡」「遺体」に該当する語が用いられることもある。
心肺停止 – Wikipedia

喧々諤々と喧々囂々と侃々諤々

ゲシュタルト崩壊を起こしそうな見づらいタイトルをお許しください。

自民党の麻生副総理が都内のシンポジウムで、ナチスを例に挙げた憲法改正についての発言がここのところずいぶんと話題になっている。その発言の詳細は朝日新聞のサイトで公開されていたので、僕はぼけーっとしながら読んでいたら、麻生副総理の発言の中に「喧々諤々(けんけんがくがく)」という言葉を見つけた。(朝日新聞デジタル:麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細 – 政治の7段落目)

僕の知っていたのは「喧々囂々」と「侃々諤々」の2つは知っていたが「喧々諤々」という言葉は初めてみた。調べてみると、「喧々諤々」は「喧々囂々」と「侃々諤々」が混同されてできたものらしい。

けんけんがくがく【喧喧諤諤】の意味 – 国語辞書 – goo辞書

[ト・タル][文][形動タリ]《「けんけんごうごう(喧喧囂囂)」と「かんかんがくがく(侃侃諤諤)」とが混同されてできた語》大勢の人がくちぐちに意見を言って騒がしいさま。「―たる株主総会の会場」

けんけんごうごう【喧喧囂囂】の意味 – 国語辞書 – goo辞書

[ト・タル][文][形動タリ]大勢の人がやかましく騒ぎたてるさま。「議論が紛糾して―たる場内」

かんかんがくがく【侃侃諤諤】の意味 – 国語辞書 – goo辞書

[ト・タル][文][形動タリ]正しいと思うことを堂々と主張するさま。また、盛んに議論するさま。「―と意見をたたかわす」

意味としては喧々囂々と侃々諤々を足して2で割った感じなのかな? どちらかといえば誤用というよりも派生語に近い印象だ。

さて、実際にこれらの言葉は実際にどれくらい使われているのか。Googleで検索してみるとそれぞれの検査結果の件数は

  • 喧々諤々:約 195,000 件
  • 喧々囂々:約 82,500 件
  • 侃々諤々:約 133,000 件

となっていて、完全な市民権を得ている様子。

学校でがんばって喧々囂々と侃々諤々を覚えたのに、実際には誤用とされている「侃々諤々」が一番多く使われているなんて……少し残念な発見。

ちなみに僕はIMEにATOKを使っているのだけど、そのATOKだと「喧々諤々」を一発変換することができない。みんながATOKを使っていれば、こんな言葉は生まれなかったのかもしれないね。