カテゴリー別アーカイブ: 経済

理解はできても納得できない問題が、世の中にはあるらしい

消費税が増税されてから2週間が経過した。

昨日、「税率8%とという数字はキリが悪いから、早く10%に増税してくれたら便利になるのに」という話しを家族でしていたんだけど、その中で「増税して消費が落ち込んだら元も子もない」といった考えを僕以外の家族がしていることが分かった。

実際に消費増税分が打ち消されるだけの景気低迷はどれくらいなのかという試算は、言論プラットフォーム「アゴラ」の記事に書かれている。それによると、5%から8%への増税をしたときの日本の名目成長率が-5.4%まで落ち込まなければ、増税分が打ち消されることはないらしい。そのときの水準は、リーマンショックの起こった2008年度を更に下回るものだそう。
「消費税増税は景気を悪くし財政再建に逆行」の嘘 : アゴラ – ライブドアブログ

 

ぶっちゃけ、そういう難しい話は良くわからないので、ここでは所得税は法人税なんかを抜きにした「課税方式が消費税だけ」の世界を仮定。税率が5%から8%に増税されるとき、いったいどれくらい消費が落ち込めば増税分が相殺されるのかを考えてみたい。

直感的には、「増税分は3%なので、3%程消費が落ち込めば増税分が相殺されるかな?」と考えるかも知れない。けれども、ちょっとした計算をするだけで、それが間違いだということがすぐにわかる。

まず、税率5%の時の消費金額を100と仮定する。そのときの税収(=課税額)は

100 × 0.05 = 5

となる。

次に、増税後の税率を8%、そのときの消費金額を X とする。このとき、税収が変わらないものとすると、X は

X × 0.08 = 100 × 0.05
∴ X = 62.5

つまり、消費税だけの世界では、税率を5%から8%に増税した際に、増税分を相殺できるだけの消費の減少幅は、37.5%にもなるということがいえる。(ここでは外税で計算したが、内税で計算するときは 100 × 5/105 = X × 8/108 の式を解けば良い。X はだいたい64.3くらいになる。)

 

もちろん、仮定が現実と大きくかけ離れているので、この数字は全く参考にならない。僕が何を言いたいのかと言うと、直感的に思い浮かべた答えと、実際に導き出した答えに大きな差が存在することがあって面白いねってこと。

理解はできるけど納得はできないって点で、モンティ・ホール問題とちょっと似てるかも。

Pocketから送られたメール「Your 2013 Pocket Stats」

後で読むサービスの「Pocket」から今朝、「You were in the Top 5% of readers on Pocket this year!」というタイトルのメールが届いていた。

英語の苦手な僕にもこの程度の分であればだいたいの意味は理解できるが、念のため、Google先生に訳してもらうことにした。上の英語は、Google先生曰く「あなたはポケットに読者の上位5%に今年だった!」

んで、メールからリンクされているページにアクセスしてみると、こんな感じのページが表示された。(下の画像。http://getpocket.com/stats/JQJ3TPc
pocket_01

ページに書かれている内容はというと、「You’ve read 341,692 words in Pocket this year. That’s like reading(あなたは今年のポケットで341692の言葉を読みました。それは読書のようなものだ(Google翻訳))」。

不自然なGoogleの翻訳から察するに、これはおそらく「いっぱい読んだね!」って内容なんじゃないかな思う。

確かにPocketはよく利用していたと思うけど、上位5%に入るほどは使っていないような気がする。そう考えながらページをスクロールさせるとしたの画像のようなことが書かれていた。
pocket_02「And if the pages from those books were stacked end to end, they’d make it past the top of the Empire State Building.」

「僕がPocketで読んだ記事やブログを本にしてそれを積み上げると、エンパイアステートビルを上回る高さになる」って感じのないようかな?

これを読んで僕は確信した。これは何かの間違いだ。僕がいくら暇をもてあましたニートだからといっても、たった1年でエンパイアステートビルを超える高さにもなる本を読めるはずがないんだから。

ほかの人たちにもこんなメールが送られてきてるのかな?

 

ベーシック・インカムの財源ってどうするんだろう?

久々の更新!

先日の参議院議員選挙で議席数を伸ばせなかった日本維新の会や、0議席に終わってしまった生活の党などが掲げるベーシック・インカム。今日はこのベーシックインカムの話題。

ベーシックインカムは、役所に申請してお金を受け取るという制度ではなく、はじめから国民全員に一定額の基礎所得をを分配してしまうという制度。生活保護のように「必要なのに受け取れない」ということがなくなる上、労働によって得た所得にかかわらず一律に支給されるので、最低賃金と支給額との間に逆転現象が発生しないというメリットがある。

僕はこの制度を結構気に入っていて、少し前にも、消費増税とセットで行う低所得者対策として定額のベーシックインカムはありなんじゃないかって内容のブログを書いたことがあるほど。

でも実際、日本国民約1.3億人に毎月8万円のベーシックインカムを支給するとなると、必要な予算はばかにならない。単純計算で

8万円 × 12ヶ月 × 1.3億人 = 124.8兆円

にもなってしまう。これらを1%増税するごとに2兆円の税収があるといわれている消費税ですべてをまかなおうとすれば、必要な増税幅は52%。ここまで増税しちゃうと、さすがに景気に悪影響がありそうな気がしてくる。増税によって景気が減速してしまえばベーシックインカムに必要な費用をまかなうことができなくなってしまい、さらなる増税が要求されるかもしれない。

増税だけではベーシックインカムは実現できなさそうなので、ここからは、ベーシックインカム開始に伴って削減できそうな社会保障費をあぶり出して、いくら費用を捻出できるかを考えていくことにする。

 

毎月4万4千円の支給

bi_h10

図は「3.社会保障給付費とその財源 http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h22/1/3.html」から

上の表「表10 機能別社会保障給付費」を見てみるとベーシックインカムが実現されたら不必要になるかもしれない社会保障費がいくつが見つけられる。2010年度の社会保障給付費103兆4,879億円のうち僕が独断と偏見で選んだ廃止候補は

高齢 50兆8,099億円
遺族 6兆7,866億円
労働災害 9,191億円
家族 5兆4,695億円
失業 1兆8,564億円
住宅 4,996億円
生活保護その他 2兆9,066億円

の以上7項目。これらを合計すると……69兆2,477億円! 結構な金額だ。

もし、このお金(69兆2,477億円)をそのままベーシックインカムとして国民に毎月分配したとしたら、いったいいくらになるのだろうか。計算すると

69兆2,477億円 ÷ 1.3億人 ÷ 12ヶ月 = 44,389円

ブログ冒頭では毎月の支給額を8万円と想定していた。それにはほど遠いものの、社会保障費をカットすることで、8万円の半分を超える金額をを捻出することができるようだ。

簡単な計算による結論だが、この4万4,389円という金額は、増税なしにベーシックインカムとして毎月支給可能な金額ということになる。毎月8万円をベーシックインカムとして支給したいのであれば、必要な消費増税分はだいたい27%ほどの圧縮される。もし支給額を5万円にすれば、必要な費用は

(5万円 − 4万4,389円)× 12ヶ月 × 1.3億人 = 8兆7,531億円

となるので、消費税でまかなうとすれば、4〜5%程度の増税ですんでしまう。

こう考えると、ベーシックインカムという制度は案外、絵空事ではなく現実的な話のように思えてくる。まじめに考えてみる価値があるのかもしれない。

 

最低賃金を引き上げるくらいなら低額ベーシックインカムをやった方が良い

毎年のように引き上げられている最低賃金が、今年度は消費増税を考慮して10円台の引き上げが検討されているらしい。
最低賃金10円台引き上げ、経済界に要請へ 厚労省  :日本経済新聞

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記事には『最低賃金を上げればパートなど低賃金の勤労者も所得が増え、より幅広い層で消費意欲が高まる』と書かれているが、果たして本当にその通りなのだろうか。少し考えてみたい。

現在の全国の加重平均した最低賃金は749円なので、ここではわかりやすく750円。そして最低賃金を10円引き上げるものと仮定して話を進めようと思う。

アルバイト100人を最低賃金750円で雇用している工場の場合、工場を経営している会社が従業員に支払う人件費は1時間当たり

750円 × 100人 = 75,000円

となる。この時給が750円から760円に引き上げられたとすると、1時間当たりの人件費は

760円 × 100人 = 76,000円

……となるが、はたして企業は人件費の上昇をそのまま受け入れるだろうか?

 

最低賃金の引き上げは失業者を増加させる。

僕が経営者だったら、最低賃金が引き上げられたとしてもそれまでと同じ水準に人件費を保とうと考える。今までと同じ数のアルバイトを雇い続けた場合の人件費上昇分は1時間当たり1,000円なので、人件費を今までと同じかそれ以上抑制するためにはアルバイトを2人減らすことで解決する。

760円 × 98人 = 74,480円

上の工場で働いていた従業員のうち98人は賃金の上昇で消費意欲が高まったかもしれない。けれども、工場をやめた2人はどうなるのだろうか。めでたく正規社員になれる……とは思えない。この2人がフリーターであれば他企業で働くために求人情報を探すかもしれないが、他企業も上の工場と同様に人件費抑制のため、転職は難しいのではないだろうか。そのため場合によっては生活保護を受給せざるをえない状況になるかもしれない。

seikatsuhogo

生活保護世帯数は1994年以降上昇傾向にある。近年のグローバル化に伴って海外移転して工場が増え、国をまたいだ賃金競争に国内の労働者はさらされている。そのため単純労働者の賃金はどうしても低い水準になりがちだ。それを無理やりねじ曲げると、先に書いたとおり失業者を増やす結果になってしまい、生活保護受給者数を増加させる要因にもなりうるだろう。

極端な話、低所得者の保護をするのには消費増税とセットでベーシック・インカムのように一律で(たとえば1万円くらい)お金を配るのが手っ取り早いと僕は思う。所得水準が高ければ高いほど納税額は多くなるのだから、ベーシック・インカムにより配布される金額を納税額が上回るので、再分配後の格差は縮まる。失業者の増加は防げるし格差は縮まるしでまさに一石二鳥。僕はベーシック・インカムのほうが最低賃金の引き上げよりもよっぽど有効な手段だと思うのだけれど、安倍総理は検討してみてくれないかな?

軽減税率なんてやめて毎月3,000円の給付をすればいいと思う

予定されている消費増税まであと1年を切ってしまいましたね。
増税が気になるのは当然ですが、同時に活発に議論されている「軽減税率」も気になりますよね。新聞社もこぞって「新聞の増税はダメ」とか言ってましたし。

増税を控えて、自民・公明の両党は軽減税率の調査会議を開き、有識者の聞き取りを行っているそうです。
自公、軽減税率導入へ参院選後に中間報告 有識者に聞き取り  :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0302X_T00C13A4PP8000/

ただ、軽減税率を導入すれば当然ですが、それなりのコストがかかることが考えられます。記事中にも書かれているようにインボイス方式は個々の品目ごとに税率を記載する必要があるので、事務的なコストが大きくなってしまいがちです。

軽減税率を導入した結果、増税分のいくらかが無駄になってしまうのは納税者として少し複雑な気もすることだと思います。だからといって、低所得者の負担を軽減する措置を全く執らなくても良いかというと、政治的に少し難しいかも知れません。

そこで僕が考えるのが、「一家族あたり毎月3,000円の給付」です。
所得に関係なく一律で平均的な家庭に対して月額3,000円の給付を行うだけのごく単純な仕組みです。

 

この単純なの給付であれば、軽減税率導入に伴う事務的コストをグッと抑えられるでしょうし何より、軽減税の逆進性をなくすことが出来るメリットがあります。

消費税とセットでよく話題に上る逆進性。所得が多くなるにつれて所得に対する税の負担割合が少なくなってしまうと言うものですが、これは軽減税率にも当てはまるそうです。
食料品等に対する軽減税率の導入問題(要約) http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/46/takada/hajimeni.htm

低所得者よりも高額所得者の軽減税額が多くなってしまうというこの問題も、僕が考える毎月3,000円給付なら解決できます。給付額が同じなので所得に対する軽減割合は所得が高くなるにつれ減少していくからです。

 

では次に、給付する金額がなぜ3,000円なのか。その根拠をざっくりと説明します。

参考にしたのは総務省統計局のこの調査結果。
統計局ホームページ/第1章 最近の家計収支 http://www.stat.go.jp/data/kakei/family/4-1.htm
23_kakei

「図1-1 家計収支状況(二人以上の世帯の家勤労者世帯)」の食料の項目は68,417円です。このうち外食は軽減税の対象にならないと考えられるので、外食への支出(PDF:43KB) – 総務省統計局の図2を参考に1突き当たりの外食費12,229円を差し引きます。

68,417円 – 12,229円 = 56,188円

軽減税の対象になる食費は大雑把に56,000円だということが分かりました。
更に新聞の購読料約4,000円をプラスすると、軽減税対象額はおよそ60,000円です。(ホントはもっと対象となる品目があるのかも知れませんが、素人の考えなので大目に見てね!)

で、現在の消費税率5%から10%に引き上げられ、増税5%分に対して軽減措置が行われたと仮定します。その際に必要な軽減税額は、軽減対象の60,000円に対して5%ですから、

60,000円 × 0.05円 = 3,000

となります。

この3,000円が僕の根拠とする数字なのです!

一家庭あたりおよそ3,000円の給付を行えば、軽減税率を導入したときと同じくらいの軽減公が見込める上に、上に書いたような軽減税の逆進性をなくすことができます。なかなか良いアイディアだと思いません?

 

 

個々まで書いてきた3,000円という金額はあくまでも一家庭の平均で、図1-1に書かれているように平均世帯人数は3.42なので、

3,000 ÷ 3.42 ≒ 877円

一人あたり877円を給付するのが妥当だと言えるでしょう。